今日予定していた遠足は朝からの雨で中止。こういうポッカリと空いた「何もない日」は、大人は案外気持ちがいい。いろんなことができそうな気がするし、子どもたちにもいつもよりゆとりを持って対応できる。残念がっている子どもたちも、実は空白の一日を存分に楽しんでいるようにも見える。
ところが、この際やりたいことやたまっている仕事、修理待ちのグッズなどが多すぎて、何もなかったはずの一日が、結局バタバタと過ぎてしまうのです(涙)。
しかも、コマのひもをわざわざこんな風にして「解ける?」と、意地悪く持ってくる子もいる。「私にできないことはない!」とほどきはじめると「じゃあ、隕石を止められる?」と意地悪のスケールが大きくなる。「すみません。前言撤回です」
事務用の穴開けパンチから直径5ミリの丸い紙が大量に出てきた。試しに年長T組に持って行ったら工作に使うというので置いてきた。ところがその1時間後には部屋中に散乱していて、担任も唖然。しかし子どもたちは知恵を出し、テープを裏返して叩いたり、鼻先に貼り付けて床を這い回ったり、さらには体にテープを巻き付けてゴロゴロと転がる子まで出てきて、ほどなく床は何事もなかったかのようになった。原因を作った私は「必要は発明の母だと実感しました!」と担任に感謝された。
一昨日、昨日と、絵本作家の野坂勇作氏が取材のため来られた。子どもたちにとってはただの面白いおじさんだから、すっかり仲良しになった子たちは、「今日も来てる?」と朝の幼稚園中を探し回っていた。「木の上に隠れてるんじゃない?」
私の道具箱は人気者。ひとたび蓋を開けると、子どもたちがぐるりと取り囲む玉手箱。