森からも春の香りが漂ってくる。目立たないけれど、かえでの森ではヒサカキの小さな花がどんどん咲き始めた。アリたちも春の労働にいそしんでいる。
その森に、今日は年長A組の子たちが出かけた。一人一人時間がかかっていた崖登りのロープもあっと言う間に登ってしまう。いやロープなしでどんどん登る子も多く、3年間の成長が具体的に見えるシーンだ。
そして年長の子たちが活発に遊びはじめると、さすがの園庭も狭く感じられる。卒園前独特の光景である。
ほら、ブランコだって、二人でこげば木の枝に足が届くよ。やっぱりこの園庭は、ぼくたちにはもう狭いのかも。
砂場の道具を洗う年長児の姿も淡々としていて、この光景がいつまでも続きそうな錯覚を覚えるが、年長児にとっては、これが幼稚園生活最後の片づけ。