かえで幼稚園の子どもたちは自然に囲まれた中で頭と体と心をフルに使って遊びを創り続けています。(広島県廿日市市:宮島を見下ろす高台の幼稚園)

2023年10月14日

43回を重ねて

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43回目の運動会は、暑さも考慮して例年より1週間遅く、学年毎に時間を変えて開催された。年少のS組対T組の綱引きは、どちらも譲らぬ熱戦。決着がつかないので10秒間の延長戦の末S組の勝利。そうまでして勝敗をつけなくてはいけないのか?→いけないのです!子どもは勝てば喜び、負ければ口惜しがる。そのどちらも育ちにつながるが、引き分けでは消化しきれないものが残るので、決めてやった方が「幼児期にふさわしい」のです。
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毎年やっているかけっこだが、去年までの直線ではなく、年少3クラスが見守る中を1周回り、仲間が待つところに帰る方式にした。その方がお互いを見合い自然に応援が出るし、子どもの気持ちに自然になじむと考えた。形を守ることではなく、「子どもにとって」を追い求め続け、やめないことを伝統と呼びたい。
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最後は親子が電車に乗って走る競技。保護者に参加していただく種目も、決してオマケではなく、運動会の重要な要素。
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年中組のかけっこも、年少同様、仲間の回りを1周走る形に変更した。こうすると、園児と保護者の声援や拍手を左右から受けながら走ることになる。当然力も湧いてくる。
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この形にしたからかどうかは分からないが、転んだり不安になっている子を見ると、すぐに誰かが手を差し伸べたり寄り添ったりする姿が増えたような気がする。ただ声援を送っているだけではなく、互いをよく感じ取っているということだろう。「くやしかったことは?」と聞かれて「T君が病気で休んだこと」と答えた子もいた。
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「なんで勝ったんだと思う?私がめっちゃ引っ張ったからよ」と親に報告した子がいた。幼児の自己中心性が表れている。しかし、こういうことに満足感を覚えながら幼児期を過ごした子は、大人になればジコチューにはならないだろう。写真は4人グループでお宝に見立てた重い砂袋を運ぶレース。
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そして、年長は綱引きからスタート。審判の「ようい!」の声がかかると、園児、保護者、職員など200人以上いる会場が、水を打ったように静かになった。そして次の瞬間かけ声と声援に変わり、最初リードされたA組がじわじわと引き戻すと割れるような拍手が沸き起こった。当園ではBGMは流さない。なぜなら、これらの全てをかき消してしまうから。
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自分が選んだ技を一人ずつ見てもらう種目。園庭の隅にある雲梯は客席からは遠いが、その分逆に視線の集中を感じる。緊張で手に汗をかくのか、いつもより滑りやすくなるが、ふんばる。
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そして、クラス対抗ゲーム「ペッたおし」も最終決戦。今までで得点差は一番少なかったが、結果はA組の4連敗。しかし、自分たちのアイデアを最後まで大切にし、工夫を重ねて完成度を高めた姿には心から拍手を送りたい。見学に来られた東京の幼稚園長や研究者を目指す大学院生も、身を乗り出して注目されていた。本当にいい試合でした。
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そして、もしかしたら最大のドラマだったのは最後のリレー。2クラスが抜きつ抜かれつの大熱戦。27人がつないだバトンをほぼ同時に受け取ったアンカーの2人は、1歩も譲らないままの併走でコースを1周し、ほとんど同時にゴールテープを切った。真横から見ていた職員と写真で判定し、A組の勝ちと発表したが、そこまで勝ち負けにこだわった理由は、年少のところで書いたとおり。本当にいい運動会でした。子どもたち、保護者の皆様、ありがとうございました。(一部の写真は石田哲弘氏撮影)
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posted by Kaede at 00:00 | りじちょうのきまぐれ保育日誌
2023年10月13日

前日

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運動会前日。年長T組は、綱引きの前にみんなで「筋トレ」と称する腕立て伏せをしてから「さあ、行くぞ!」
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年中は砂袋を4人チームで運ぶ「お宝運び」をやったが、持ちにくい袋なので手が離れることも。それでも、とにかくゴールを目指すのよ。
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クラス対抗ゲームで3連敗している年長A組は、降園まぎわまで道具の修理、調整に追われた。筒を転がす坂道の下にいるのは、的になるPETボトル役の子。明日もこうだったらいいな、という希望も含めて、ドミノのように二人が倒れた。
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忙中閑あり。砂場に作った山に、ふるいに掛けた「サラ粉」をまぶして、雪の富士山を作る。
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放課後は、父母の会役員さんにもお手伝いいただいて、会場が整った。あとは天気が崩れませんように。そして、みんなが元気で楽しめますように。
posted by Kaede at 21:58 | りじちょうのきまぐれ保育日誌
2023年10月12日

総練習

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運動会2日前。今日と明日は全員が園庭に集まり、全体活動を行う。予行演習の意味もあるが、他の学年を見ることができない本番の代わりに互いを応援し合う、という意味が大きい。まず年中のかけっこ。途中で他の子と交錯して転んだS君。一瞬心が折れかけたが、すぐに駆け寄ったMちゃんの励ましで立ち直り、一人でリスタート。応援してくれる子たちに愛想を振りまきながら、まるでウイニングランのように1周走った。
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初めてやってみた年長のリレーでアンカーを務めたK君もゴール寸前で転倒。彼もすぐに立ち上がり、Yちゃんが拾ってくれたバトンを受け取ると、ゴールテープを駆け抜けた。今日が6歳の誕生日なんだ。こんなことでくじけるもんか。
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運動会本番には参加しない満3歳M組は、その代わりの意味も込めて保育参観を行った。まず降園前の集まりを見ていただいたが、輪になって歌を歌ったりしながらも、後ろにいる親の様子が気になるのは当たり前だね。
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その後は園庭でミニ運動会。かけっこのゴールは、大好きなお母さん、お父さんの抱っこ。
posted by Kaede at 22:21 | りじちょうのきまぐれ保育日誌
2023年10月11日

多様な入口

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年少のR君は森が苦手。なかなか入ろうとしなかったが、森の入口にあるすべり台にどんぐりを転がす面白さに気付き、それをきっかけに少しずつ森の階段を下りられるようになってきた。興味の入口があちこちにある多様な環境が大事だ、と改めて感じる。
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片づけの時間になると年中組がある2階バルコニーから「かったづっけよー」という声が聞こえる。下にいる子たちにふれ回るのは気持ちがいいのだろう。まず自分たちから率先して片づける、なんてことはしないけど。
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満3歳M組では、集まりの時間に「あなたのお名前は?」と、歌に合わせて一人ずつマイク(のようなもの)を回すのが恒例になっている。そして、ほとんどの子が自分の名前をちゃんと言えるようになった。言えると他の子もうれしそうに共感する。こうして人間関係が深くなっていく。
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年長はクラス対抗ゲーム「ペッたおし」の3戦目を行う。今まで2連敗のA組にはぜひ勝ってほしい、勝たせたい、と、大人は全員思っていただろう。相手のT組担任も含めて。もちろんゲームは公正に行う。そして今日もT組が勝った。試合後、負けたA組のHちゃんは、腹いせのように残ったボトルを足で蹴って倒した。しかし、試合後の話し合いでは早速傾向と対策が話し合われていて、その表情は決してあきらめても腐ってもいないように見えた。
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勝ったT組も万全だったわけではない。3人が担当するこの道具は、クラスでも一番工夫が凝らされたものだが、複雑すぎてひもがからんでしまい、それを直すだけで時間が来てしまった。試合には勝ったが、3人はガックリの表情だった。次の対戦はいよいよ運動会当日。
posted by Kaede at 22:46 | りじちょうのきまぐれ保育日誌
2023年10月10日

迷い

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年長は、一人一人が自分が選んだ技を見てもらう種目をもう1回やってみた。勇んで出発する虫取りを選んだ子たちだが、バッタぐらいでは満足しない。でも、日に日に虫が減っている時期なのに、そんな贅沢を言って大丈夫? 前回から種目を変えた子もいるが、迷う気持ちもよく分かる。
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年長のクラス対抗ゲームに使う道具は日々改良、強化されているが、T組のY君は筒が転がる坂道の最後のところを高くする台を取り付けた。理由は聞かなかったが、ボトルの重心より高いところをねらう方が、倒れやすい、ということだろう。その威力が試されるのは、明日の第3戦。
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年中は、親子でやる予定のフラフープ通しをみんなでやってみた。試してみては、より楽しくなる方法を探る。
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修理担当者のぼやき。「毎日毎日 壊れるものばかり 直し疲れて いやになっちゃうよ」(『およげ!たいやきくん』のメロディーで)
posted by Kaede at 09:59 | りじちょうのきまぐれ保育日誌
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